装備などの情報
冬(年末年始)の北海道に必要な装備と服装、 その他に気候や経路などについて書いてみました。

(注意:あくまで参考程度にして下さい。一切の責任は負えませんので、 後は各個人の判断にてお願いします)

冬の北海道に関しては
パクリさん
のHPや掲示板(North BBS)が便利です。



新規購入装備品 (冬の北海道に必要な為、新たに購入)
装備品(製品名、メーカー、価格) 使い心地、購入場所など一言。
スパイクタイヤ
(ピレリのMT21にマカロニピンを100本ほど打ったもの):F: 90/90-21(21,000 円)、R: 110/80-18(22,000 円)
除雪後の圧雪路ではグリップするが、 流石にアイスバーンは厳しく何回か転倒もしました。(単にヘタレなだけ?) それでも大枚を叩いて購入しただけの事はありました。

購入先は札幌市の タイヤ工房カンガルーにて購入。関東の方だと風間さんのお店で スパイク作製してもらう方が多い模様。元旦宗谷常連の パクリさん の様に、海外(カナダ)から取り寄せる方もいます。
なお、スパイク1本100円が相場の模様。スパイクにはマカロニピン(円筒の筒)、 カップピン(画鋲の丸い部分がタイヤの外に出たもの)、 ネジの様なピン(名前不明)などがあります。



マカロニピン
アンダーウェア
(靴下:BREATH THERMO MIZUNO社 定価2,200円。 下着:Outlast(厚手長袖) PHENIX社 定価6,200円(上下別々の値段)
靴下は汗を吸うと発熱する繊維のもの。 下着の方は熱いと汗を蒸発させ、寒いと保温するマイクロカプセルが 線維内に封入されている製品。確かに暖かいです。所謂ハイテク素材というヤツですか。 都内のさかいやスポーツ で購入。

(THE NORTH FACE社 CHILKATS NF70220-NK-9 定価17,800円)
-40℃近くまでO.Kと言う事で購入。フェリーの中、裸足で履いていると 直ぐに汗が出てくるほど保温性は良かった。さかいやスポーツで購入。
ハンドルカバー
(HOTハンドウォーマーリフレクター ROUHG & ROAD社。定価6,800円)
仙台までの道のりは雨風を防いでくれた。北海道上陸後、隙間から入る風で 手がとても冷たくなってしまった。予めガムテープで防風しておけば 問題なく北海道で使用可能。(値段よりも、いかに隙間からの風の進入を防ぐかが 防寒のポイントと感じた) RSタイチ相模原ケーユー店で購入。
フェイスウォーマー
(FACE WARMER SWK-401 S:GEAR社  定価2,800円)
仙台までの道のりではこれで十分だったが、日中が氷点下になると耳が痛くて 鼻までの製品では対応できなくなった。 ライコランド埼玉店 で購入
冬山用フライシート
(ステラリッジ1スノーフライ mont-bell社 定価11,000円)
1,980円の夏用テントはメッシュにペラペラ フライシートなので、雪と風対策に購入。結局1回しか使わなかったが、 風対策にはなった(雪は大して降らなかったので不明) mont-bell恵比寿店で購入。
ブーツ滑り止め
(NON SLIP SNOW GRAGGERS(BG291L)(株)エバニュー 定価900円)
靴の上から履く事が出来て使い勝手は良かった。お陰で立ちゴケはなかった。 mont-bell恵比寿店で購入。
予備バッテリー&ブースターケーブル
(バッテリー:YUASA製 約6,000円。ブースターケーブル 780円。)
暖冬の今年は不用であった。それでもいざと言う時の為にある方が無難。


従来から使用している装備品 (本州で使用している品でも対応可能と考え、実際に使用)

グローブ
(冬用バイクグローブ 2,980円。インナーグローブ 980円。)
バイクカバーの隙間風の為、冬用グローブでは指が痛くなってホームセンターで スキー用のグローブに交換。バイクカバーの隙間処理さえしておけば本州の冬用 グローブで十分と思う。インナーはバイクを降りてカメラを取ったりする際に 便利。一時的とは言え素手は流石に厳しい場合があります。
テント
(夏用 1,980円)
風は建物で除け、雪は少なかったので今回は これで対応できた。しかし、宗谷岬などでの強風や大雪の際にはポールが 折れるのではないかと思う。ジュラルミンなり確りしたポールのテントを購入すべき。
シュラフ
(3シーズン 8,800円。mont-bell製の冬用(-20℃まで対応)14,800円)

左が冬用、右が3シーズン。厚みが全く異なる。
冬用シュラフの内側に3シーズンを入れて使用。 寒さは問題なく対処できたが、荷物としてかさ張るのがネック。 (全泊を宿で過ごすことを計画しても、何かのトラブルにより野外で一泊する 場合は死活問題になるので、やはりあった方が良いと思います)
ヘルメット
(SHOWEI製のバイザータイプの半分オフヘルメット 19,800円)

ヘルメットとフェイスウォーマー
オフヘルメットでも大丈夫だが、バイザーの方が 風の当たる面積が少なくて良い。それでも耳や頬が痛くなるので(場合によっては 凍傷の恐れあり)、フェイスフォーマーなどのインナーは絶対に必要。
オーバーパンツ
(南海部品製 2,980円)
安いのに雨を通さなくて良かった。転倒時にエキパイと触れると直ぐに穴が開くのが ネック。
ジャケット
(SPEEDY製 24,800円)
ジャケット自体の防寒性はそれほど良い物でなかったので、上に雨合羽を着て 風の進入を防いだ。

服装について

<上半身>
Tシャツ(速乾性のある化繊)、機能性アンダーウェア(Outlast)、 フリース(長袖で襟あり)、バイクジャケット、雨合羽の5重で対応。 山登りと同様、速乾性のある化繊の機能性アンダーウェアとフリースのインナーが 防寒のポイントの様子。ただし、登山と違って運転中に体を動かさないので、 防風は十分にしないと寒い。(中には、 BM救助隊隊長さんの様に、バッテリー電源を使った伝熱ウェアで対応した方もあり)

<下半身>
パンツ(普段履く綿製品)、アンダーウェア(Outlast)、ジャージズボン、 オーバーパンツの3重+ニーサポーターをジャージズボンの上に装備で対応。 こちらも機能性アンダーウェアが重要。Gパンなどの綿製品だと汗が発散されずに 凍結の恐れがあるので化繊製品を使うこと。

<足元>
普段履く靴下(化繊)、BREATH THERMOの靴下、 靴(CHILKATS NF70220-NK-9)の3重+ブーツカバー(雨に降らたりしたので)と 滑り止め(NON SLIP SNOW GRAGGERS)で対応。常連さんはカリブと言う製品を 使っていたが、今年の様に雨が降ったりする場合も考えると、バイクカバーが あった方が防風にもなって便利と思う。(ただし、アスファルト路面で転倒すると カバーに穴が空く可能性アリ)

<頭部>
耳まで覆うフェイスウォーマー(途中のホームセンターで購入) の上にヘルメットで対応。ただし、鼻まで対応していたフェイスウォーマー (FACE WARMER SWK-401)も重ねて使用していました。mont-bell製の 頭をすっぽり覆うフェイスウォーマーの方が薄くて耳を保護してもらえて良いの ではないかと思った。(自分の買った製品は厚くて 結局、ヘルメットを被ると耳からズレてしまった。それでも防寒にはなったが) ただ、頬の部分がmont-bellの1枚では薄くて寒いのかなとも。


気候
 北海道と言っても地区によって気候は随分と異なります。 今年の自分が通ったルートですと、上陸する苫小牧などの太平洋側は比較的雪が 少なく、気温もそれほど厳しく下がる事もない様子です。
 札幌や岩見沢方面へ北上するにつれて雪が増えると共に気温も低くなっていきます。 札幌でも早朝は-10℃近く下がる日もありますが、 暖かい日ならば日中はプラスになります。
 旭川辺りから北の内陸部は気温がより低くなります。雪の量も多いので 吹雪になると視界不良となり、転倒や車の追突などの危険が高まります。 同じ緯度でも留萌などの日本海側は、旭川より気温は下がらず雪も少なくなります。 ただし、海風が強いので転倒と吹雪には注意が必要です。
 更に北上して手塩辺りになる、雪の量は減り旭川近辺ほど気温は下がらない 様子です。

 1月下旬から2月上旬の厳冬期ほど気温は下がりませんが、それでも 日中は-10℃位まで、夜は-20℃位まで耐えれる装備を想定し、 準備をした方が良いと思います。


経路

<港まで>
 関東からならば大洗⇔苫小牧。中部地区だと名古屋⇔仙台⇔苫小牧。 関西ならば敦賀 or 舞鶴⇔小樽、と夏の北海道でお馴染みのフェリー を利用するのが一番良いと思います。家でスパイクタイヤに交換しておき、 自走で港へ向う方が一番多いみたいです。(因みに、自分は1ヶ月前に電話しても 大洗⇔苫小牧の予約が取れなかった為、後ろに前後スパイクタイヤを積んで 仙台まで走り、港でタイヤ交換をするハメとなりました。ただし、キャンセル待ち で乗れることが殆どみたいです。)

こんな荷物になります・・・タイヤ邪魔

ただ、舗装路を走ると当然スパイクが削れます。(北海道での走行よりも 自宅からフェリーターミナルまでの間の方が、スパイクが減ると言う話し) なお、通常のアスファルト路面ではノーマルタイヤよりもブレーキは効きにくく、 コーナーでバイクを寝かせてもグリップしないので注意が必要です。

<北海道上陸後>
 早朝から走ろうと思っても、除雪がされていないと前に進めません。 (特に大雪が降った翌日)前に進めてもハンドルが取られて結局進めない or 進むスピードが遅くなります。また、除雪の頻度は幹線国道 > 一般国道 > 道道(北海道が 管理する道路)>市町村道の順となりますので、おのずと幹線国道(R12とかR40など) を経由することになります。また、幹線道路を使わないと通行止めなどで 進めない場合が多いです。私は元旦に仕方なく道道を経由して国道に抜けたのですが、 その時は丁度吹雪始めたので前は見えないし雪は積もってくるし、 道端に人家は無い山間部だしと、遭難の危険を感じながら走っても 良いことはありませんでした。

 また、路面や気候によっても経路選択は重要です。沿岸部は雪が少なく、 場合によってはアスファルト路面が出ていることもあるのですが、風が強くて 走る所の話しではない事もあります。一方、内陸は雪が多いので吹雪かれると 吹雪による視界不良とシールドに付いた雪による視界不良の為、こちらも進む事が 困難 or 遅くなります。天気予報を見て経路を選択した方が良いのだと思いますが、 寒気団が入って全道大荒れな天気ですと、どちらにせよ厳しい走行を強いられる 事には変わりないのですが・・・(そもそも、2輪で冬の北海道を走ること自体が・・・・)


その他

<プロテクター>
 着膨れしているとは言え、雪道で転倒すると肉体的にも精神的にも苦痛が 伴います。上半身はともかく、下半身のプロテクター(膝など)は付けておいた方が、 何かの時に安心だと思います。(自分は稚内のブラックアイスバーンで転倒し、 両膝からアスファルトに着地してしまいました。幸い、ニーガードをしていたので 打撲で済みました)

<オーバーパンツの穴>
 転倒時、エンジンから出るエキゾーストパイプにオーバーパンツが 接触すると穴が空きます。エキゾーストパイプに何か巻いて、転倒時の穴あきに 対処した方が良いと思います。

<ハンドルカバー>
 ハンドルカバーはとても重要なのですが、隙間をガムテープなどで確り 塞いでおかないと、隙間風の為に手が痛くなってきます。自宅を出発する前に 確りと塞ぎましょう。(本州では気にならなくとも、北海道上陸後に実感します。 自分がそうでした)

<アイシング>
 アイシング(キャブレター内の水分がガソリンの気化熱により凍り、 エンジンがストップしてしまう事)対策はできればしておいた方が良いみたいです。 今回の2003〜2004年の年末年始は暖冬だったので殆どの方は問題なかったのですが、 山間部でアイシングが起こり、バイク屋に引き取ってもらった2stオフの方もいました。 (自分は荷物の梱包に使う粒粒シートをキャブレーターに包んでいました。 本当に役に立ったかは不明ですが)


こんな感じで1枚のシートで1周り包みました。

<曇りによる視界不良>
 裸眼でO.Kな方は良いのですが、メガネだと曇って前が見えない事があります。 (吹雪になればメガネがあろうが無かろうが、見えないものは見えないのですが・・・) コンタクトレンズの方がまだましだと思います。また、シールドが曇るので 曇り止めを塗っておく方が良いのですが、直ぐに効果がなくなるので「中性洗剤」を 塗っておくと言っていた方もいました。

<燃費>
 冬装備で荷物は多く、スパイクタイヤはパワーを食われる為に燃費は 悪くなります。(転倒時にガソリンがこぼれると+αとなります) また、ガソリンスタンドの閉店時間が早い為(場所によりますが早いと18時頃で終了。 また、年末年始は営業していなかったりします)、給油は早めにした方が良いと思います。
 因みに、私のDJEBEL200は下道で28km/l位の燃費(2003年末の時点で)でしたが、 北海道では40〜60km/h位で走行しても22〜25km/lまで燃費が悪くなりました。


最後に一言

 いくら準備を万端にしても、天候次第ではどうにもならないのが 冬の北海道です。(最悪、フェリーが欠航となれば上陸すらできませんし・・・) それだけ厳しい気候でもあり、夏に比べると危険度は全く違います。 しかし、晴れた日の雪景色など冬の風景はとても綺麗であり、 夏とは違う魅力があることも確かです。 (経験してみないと分からない物が沢山ありますよ)


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