旅行準備

5.カルネ(&グリーンカード:EUとEU周辺諸国での保険)

 日本からのバイクを他国へ持ち込む際、バイクは輸入品として扱われる事が多く、 輸入税を支払う必要が生じてきます。しかし、一時的に滞在して またバイクごと出国するのに、そのつど輸入税を支払っていたのでは負担が 大きくなります。そこで、「このバイクは出国時に持ち出すので税金を免除して下さい」 と言う約束の取り決めが行われ、その証明書として カルネ と言う書類があります。

 申請は JAF(社団法人 日本自動車連盟) にて行います。ただし、カルネの申請できる支部は限られているので注意が必要です。 (宮城、東京、愛知、大阪、広島、香川、福岡の7支部)


東京にあるJAF

 また、カルネを申請する前に、 登録証書の作製が必要です。 所轄の陸運支局の検査登録事務所にパスポート(コピーは不可) と車両の証明書(車検証 or 軽自動車届出書と強制賠償保険支払書 or 原動機付自転車標識交付証明書、強制賠償保険支払書) を持参して交付を受けます。

 実際にJAFの上記7支部にてカルネの申請を行う際には、


1.登録証書
:上記の書類。

2.カルネ申請書
:JAFにて入手。書式で正副2通必要。

3.車両の証明書
・250cc以上の二輪車:車検証
・125cc以上250ccまでの二輪車:軽自動車届出書、強制賠償保険支払書
・125cc以下の二輪車:原動機付自転車標識交付証明書、強制賠償保険支払書

4.旅行計画書
:下記の2種類が必要。

<4-1 旅行日程表>
:通過国順に入国と出国の予定期日と場所を記入。 同一国を再通過する場合、その順番で記入。 車両と人のルートが異なる場合、両方のルートが分かる様に記入。

<4-2 通過経路図>
:白地図上に行程ルートを記入。

5.スペアパーツリスト
:英文でタイプ or ワープロで作製。正副2部必要。 携行するスペアーパーツを一覧表にてパーツNo.、品名、数量、単価、合計金額 を正確に記述する。

6.パーソナルアイテムリスト
:英文でタイプ or ワープロで作製。正副2部必要。 携行するヘルメットやテントなどの梱包してバイクと同時に運ぶ、スペアパーツ以外 の物をスペアパーツリストと同様に一覧表へ記述する。

7.誓約書
:カルネの申請には連帯保証人が必要な為、 申請者と連帯保証人両方の 印鑑証明書(取得3ヶ月以内のもの) をそれぞれ1部ずつ(カルネ保険利用の場合は2部ずつ)添付して提出。

8.お金
:カルネ発行料金、クレーム処理預かり金、保証金、国際ナンバープレート、Jマーク

<8-1 カルネ発行料金>
カルネは1ヶ国につき用紙1枚必要。5、10、25枚ごとに料金がこ異なる。 (JAF会員、非会員でも違う。非会員で25枚物の場合は3.1万円)

<8-2 クレーム処理預り金>
3万円。海外でのトラブル発生対応時に引かれていく。カルネ返却時に返金される。

<8-3 担保金>
現金預託、銀行保証書、自動車メーカー/ディーラー保証書、3%の掛捨金、 これの何れかを選択する。

・8-3-1 現金寄託
:現金をそのまま預ける方法。 (車両の課税評価額+スペアーバーツの総額+運送科) ×通過予定国中での最高の税率=必要金額。車両が高価だったり、 通過予定国の税率が高いと、100万円単位のお金が必要となり負担大。 ただし、帰国時に返還してもらえる(利子は無し)ので、帰国後の生活復帰の 資金を預けておくと言う考えができなくもない。ただし、 1年更新の度に 保証金を新たに預けることが必要。

・8-3-2 銀行保証書 or 自動車メーカー/ディーラー保証書
:詳しくはJAFにてお問い合わせください。

8-3-3 3%の掛捨金
現金預託総額の3%を掛け捨て保険にて支払う。ただし、 関税の支払が生じた時に保険会社が一時的に立替えるだけで、 本人が帰国の際に取立が行われる。

<8-4 国際ナンバー>
プレート二輸車(1枚)4,200円。

<8-5 Jマーク>
金属は1枚 1,570円。ステッカーは2枚1組 520円。

 これらを揃えてカルネの申請をJAFにて行います。申請開始から10日は必要です。 しかし、登録証書や印鑑証明書などの書類を揃えることを考えると、出発の1ヵ月 前から準備をスタートした方が良いと思います。(特に、パスポートを ビザ申請で預けていると、その間は登録保証書の申請・取得ができませんので 注意が必要)また、航空機などで海外へバイクを持ち出す人は、 もっと早くから準備が必要となります。

 実際、海外ツーリングですと1年以上必要とする場合があり、その際には 延長申請を行う必要があるみたいです。一時帰国して手続きをするか、親類などの 代理人にお願いするみたいです。


 また、EU諸国(+周辺国)を走行する際にはカルネ以外に、 グリーンカード が必要となります。(EU諸国の殆どはカルネ不要だが、スペイン、モロッコ、 オランダなどではカルネ必要とのこと。ただし実際はモロッコ以外、 カルネのチェックは無いと思うが) 費用や有効範囲が取得した国ごとに異なるらしい。以前は ポーランドのグリーンカードが東欧諸国もカバーして使い勝手が良かったらしいが、 今は不明。

 カルネとグリーンカードの必要諸国一覧は、 飯田さん(京都でバックパッカーズホステル J-Hoppers Kyoto を営業)の 「寄って候-ユーラシア大陸バイク横断ツーリングの記録-」 を参考にしました。

(2004年6月19日追加) カルネは基本的に 「一人一冊」 しか発行しないとの事です。(JAFの担当者より。途中で不足した場合は一時帰国 なりして新たに申請するようにと言われました)

 

・前のページに戻る

・トップページに戻る